1999年に初めてイギリスへ渡ったとき

「いちどは本場イギリスのウェディングを撮影したい」

というのが、私の願いでした。

果たして、一生の思い出となるウェディングフォトを

わざわざ外国人の私に頼んでくれるイギリス人の新郎新婦があるかしら＿

そんな不安でいっぱいでしたが

幸い、６つものウェディングでフォトグラファーを務める機会に恵まれたのでした。


コッツウォルズ近郊のカントリーサイド・ウェディングから、ロンドンの都会派ウェディングまで。

英国国教会に属する伝統的なクリスチャン挙式に、

宗教にとらわれない近代流のレジスター挙式＿

そして、イギリスならではの歴史や風情に富んだ場所でのレセプション＿などなど。

さまざまなスタイル、そして多種多様な人々の笑顔に満ちたイギリスのウェディングに

日本人フォトグラファーとしてたずさわることができた経験は、

国の違いに関係なく「結婚式」にとって一番大切なことは何か、

そして、理想的なウェディングフォトとはどうあるべきかということを、

改めて私に考えさせてくれました。

また、習慣・文化・言語の違いを乗り越えて

「あなたに頼んで良かった」と、彼らに喜んでもらえたことが

ウェディング・フォトグラファーとして歩んでいく私の大きな励みとなりました。


この、かけがえのない経験を常に心に秘め

また、写真に込めながら

日本で、イギリスで、まだ見ぬどこかで＿

ウェディングフォトを撮り続けていければと思っています。